C3のひと

地域医療の未来を担う
仲間をご紹介します。
「このまま地域医療を放っておくことはできない」「自らの力で問題を解決したい」。そんな使命感に駆られて、C3 に次々と集まってきたプロフェッショナルたち。彼らがどんな思いでプロジェクトに臨んでいるのか。今後C3での活動をどのように発展させたいのか。一人ひとりの思いに迫りました。
柴田菜生

柴田菜生
臨床心理士・公認心理師
井上朋

井上朋
地域医薬政策スペシャリスト
永澤成人

永澤成人
看護師
川田裕美

川田裕美
医師
シュナック千賀子

シュナック千賀子
CFO・女性の健康活動家
柴田菜生
誰もが精神疾患と
向き合える社会へ。
臨床心理士・公認心理師
柴田菜生Nao Shibata

未来の患者を救うために、
病院の外へ飛び出した。

前職では、精神科専門病院で心理療法士として臨床業務のほか、研究業務にも打ち込んでいました。主な研究内容は、精神疾患を抱えた方の社会復帰に向けたリハビリテーションと、そこに携わるスタッフの行動分析です。スタッフがどの工程に、どのくらいの時間を費やすのかを数値化し、患者さんの社会復帰率と照らし合わせてより良いリハビリテーションを模索するのですが、当時は患者さんの役に立てているのかわからず、自信を失っていました。「数字を追うだけの業務なんて、何の役にたつのだろう?」「臨床のほうが、よっぽど有意義なのではないか?」と。

そんなとき、励ましてくださったのが臨床現場で働く大先輩です。「あなたの研究は、未来の患者さんのために役立つね」という言葉をきっかけに、これから病気を患う可能性のある人を救う仕事もあるのだ、と気づきました。病院では病気を診療できますが、未病の人までは診療できません。未来の患者さんにできる仕事は、病院の中ではなく、外側にあるのではないか。そう強く感じ、C3への入社を決意しました。

精神疾患を「見える化」できる仕組みを。

現在は、AIを活用した神経障害・精神疾患の早期発見システムの開発に、立ち上げから関わっています。精神疾患は、早く見つけて、早く治療することが最も重要です。なかには発見の遅れによって悪化が進み、元通りの生活に戻れなくなってしまう人もいます。そこで、どんな人でも精神疾患に気づけるように「見える化」する仕組みを模索中です。

開発にあたり、医療機関だけでなく、うつ病で休職する社員を抱えた一般企業や、精神疾患を発病しやすい思春期を迎えた学生たちをサポートする教育機関にもヒヤリングを行いました。こうした「誰に相談したらいいかわからない」という悩みに応えていくことこそが、C3の役割なのだと実感しています。

今後は医療や福祉だけでなく、さまざまな領域と手を取り合っていきたいですね。たとえば、障がいを持ちながらも地域で生活を送るために暮らしやすい住宅を提供してくれる不動産業者や、人が多い場所で動悸や過呼吸のような症状を引き起こしてしまう方でも安心して利用できる公共交通機関など、医療の手が届かない領域をサポートしてくれる存在が欠かせません。あらゆる人が精神疾患と向き合い、地域全体でサポートできるような未来を目指して、これからも前進していきたいです。

地域をつなげる
架け橋になりたい。
地域医薬政策スペシャリスト
井上朋Tomo Inoue

製薬業界から、
地域医療ひとすじに。

私はもともと製薬業界で8年間働いていました。最初は外資系の製薬会社で地域医薬政策を担当。担当エリアの健康増進のため、地方自治体や県議会議員、市議会議員、患者団体などにアプローチするなど、自社ワクチンの啓蒙活動に取り組みました。その後、2年間MRとして新薬などの販売活動に携わります。

こうして製薬業界にいる間に、さまざまな地域が医療課題を抱えていることに気づき、「地域医療に貢献したい」という思いを強くしていきました。しかし、製薬会社にいて関わるには限界があります。製薬会社として、薬を売ることを疎かにはできません。そのうえ、地域医療には行政や医療機関といったたくさんのステークホルダーがいるため、新たな事業を始めるには膨大な労力を要します。こうして地域医療は生半可に取り組めないと感じ、製薬業界から離れることを決意。地域医療に専念できるC3へ入社しました。

日本が誇る国民皆保険制度を守りたい。

現在は地域医療を支える収入源を生み出す「医療費適正化」プロジェクトを進めています。前例のない取り組みのため、決められた道筋はありません。そこで自治体の国民健康保険課や、健康保健組合を運営する保険者、経営改善を検討している全国の医療機関など、あらゆる場所に足を運んで交渉しています。C3がハブとなり、足を使って多くのステークホルダーをつないでいく。そんな仕事に、日々やりがいを感じます。

私には、国民皆保険制度という優れた医療システムを守りたい、という信念があります。国民皆保険制度は、どんなに貧しい人でも平等に最適な治療が受けられる、日本ならではの素晴らしい仕組みです。しかし、このまま高齢化が進み、医療費が膨れ上がると制度自体が継続できなくなる可能性があります。そこで無駄な医療費を削減する足がかりとして、医療費適正化プロジェクトを進めているところです。

今後は、未病の段階から介入するプロジェクトにも携わりたいです。病気を予防できれば、余分な医療費を削減でき、国民皆保険制度の存続にもつながります。一つひとつのプロジェクトで成功を積み重ね、好循環を生んで、さらなる大きなプロジェクトへとつなげたい。そのためにも、地道に自治体や医療機関に足を運んで双方をつなぎ、地域を活性化していきたいと思っています。

経験と知識を活かして
「医療×IT」を推し進める。
看護師
永澤成人Naruhito Nagasawa

ビジネスから、
医療現場を支えていく。

現在は医療費の適正化を目指すプロジェクトに携わっています。患者さんが服用している薬をリーズナブルな後発医薬品に切り替えてもらうことによって、患者さんの負担だけでなく、医療機関の薬剤費や、健康保険組合の医療費を抑えることができる画期的な取り組みです。私は主に病院の薬剤部や健康保険組合などに足を運んでいるのですが、後発医薬品を導入したい、導入の促進をしたいと思っていても、忙しさで手が回らず、苦労する現場が少なくありません。そこにC3が介入し、変革を後押ししていく。第三者の立場だからできる役割があります。

前職では、看護師として大学病院で勤めた後、大学の教員として糖尿病予防の研究をしていました。毎日のように患者さんに向き合いながらベストを尽くしていたものの、医療現場でできることには限りがあると感じ始めます。目の前の患者さんを救うことや、病気のメカニズムを解明する研究も重要ですが、もっとたくさんの人を救いたい。未病の段階からいち早く介入して、病気になる人を減らしたい、という思いが強くなったのです。そこで、スピード感と実行力のあるビジネスという領域から医療に取り組むために、現職に就きました。

患者さんの立場に立った、ITサービスを。

現在はC3に勤めながら、兵庫県立大学大学院で情報科学を研究しています。今でこそ病院内で電子カルテが導入されるようになったものの、医療機関同士の情報共有は電話やファックスなどが一般的で、IT化はほとんど進んでいません。そこに医療とITを掛け合わせた仕組みが作れないものか模索しています。

たとえば高齢者は病院を退院できたとしても、リハビリ施設に通ったり、訪問看護や訪問介護などの在宅ケアを導入するなど、さまざまな医療従事者と関わる必要があります。そんなときに、治療の経過や、投薬の履歴、患者さんの意向などを共有できるデジタルツールがあれば、より細やかなケアを受けられるはずです。いくつかの企業がデジタルツールを開発が進めていますが、患者さんも医療従事者も使いこなせる人が少ないため、あまり浸透していません。そこで、医療従事者や高齢者の立場に立った、使い勝手のよいデジタルツールを提案したい。それを実行するのが、看護師経験のある私の役目だと考えています。

今後はオンライン診療など、最新技術を活用したデジタルヘルスケアサービスが増えてくるでしょう。私も積極的に「医療×IT」を推進するプロジェクトにチャレンジして、地域医療に貢献していきたいと思います。

医療、行政、民間での経験を発揮できる職場です。
医師
川田裕美Hiromi Kawada

医療費適正化を前進させた、
「グレーゾーン解消制度」。

後発医薬品(バイオシミラーなど)を活用して、医療費を適正化していくプロジェクトに携わっています。医療機関に後発医薬品の活用を働きかけ、患者さんに切り替えを勧めてくださった医療機関や医師にインセンティブを提供するという、まったく新しい取り組みです。私は、この事業に違法性がないかを調べるため、経済産業省の「グレーゾーン解消制度」に申請する役割を担いました。

「グレーゾーン解消制度」とは、新規事業を立ち上げる際、そのビジネスが現行の規制に抵触するかどうかを確認する制度です。ここでは、厚生労働省時代の経験が大変役に立ちました。官庁は縦割り社会なので、自分たちの管轄以外のことにはほとんど答えてくれません。そこで、官庁ごとに質問事項をあらかじめ細分化し、地道に問い合わせを重ねていきました。始めに内閣府に問い合わせてから、正式回答までおよそ5ヵ月。ようやく法令上の疑問が解消され、「グレーゾーン解消制度」の回答を得ることができました。

どんな医師にも、「患者さんのためになることをしてあげたい」という思いが根底にあります。後発医薬品で患者さんの薬代の負担を軽減してあげたい、という考えに賛同していただける医師や医療機関も多いはずです。C3の提案が、皆さんの背中を押すきっかけになってくれればと思っています。

柔軟な姿勢でチャレンジし続けるのが、C3の魅力。

現在は、後発医薬品の導入を検討している病院や健康保険組合から出た疑問を解消する役割を担っています。後発医薬品に切り替えられそうな患者さんが何人いるのかを調べたり、どのように切り替えていくのかを提案しているところです。こうした新たな課題をひとつずつ解決し、将来的には全国展開を目指します。

もともと私は研修医を修了後、厚生労働省に入省し、希少疾患の研究管理やワクチンの供給管理、感染症予防の啓発活動などを行っていました。その後、企業に転職し、新規事業の開発などに携わってきましたが、C3はこれまでの経験や専門性が活かせる、大変貴重な職場です。柔軟な姿勢で新事業に挑むC3に貢献でき、大きなやりがいを感じています。

今後は医療機関、行政、民間企業などで働いた経験を活かし、それらの機関をつないで新たな取り組みにチャレンジしたい。同時に、予防に関するプロジェクトや、患者さんの生活の質を高める仕組みづくりにも貢献していきたいです。

女性同士でつながり合い、
美しく健やかな未来を。
CFO・女性の健康活動家
シュナック千賀子Chikako Schnack

乳がん後の私を救ってくれたのは、
身近な女性たちだった。

C3ではCFOとして経営に携わりながら、女性の健康を支え合う「KENKO WOMEN!」の代表を務めています。2019年に立ち上げたのですが、これには私自身の経験が深く関係しています。
年金や投資信託のファンドマネジャーとして仕事に打ち込んでいた30代のある日のこと。突然乳がんと診断されたのです。幸いにして早期発見で手術も成功したものの、術後の不調に悩まされました。

ひとつ目は、身体的な不調です。手術した側の腕が上げにくくなり、「リハビリを受けたい」と自ら病院に行きました。しかし、病院は病気でない限り、受け付けてはくれません。たまたま女性理学療法士で乳がん術後のケアに関心を持つ後輩がいたため、個人的にお願いして乗り切ることができました。それ以上に大変だったのが、精神面の不調です。退院後はささいなことで気分が落ち込み、疲れやすくなりました。心療内科に通うほどではないものの、暗いトンネルの中にいるような状態が10年近く続いたのです。

そんな私に訪れた転機が、妊娠と出産でした。子どもの成長に元気をもらい、子育てをきっかけとして出会った女性たちからアドバイスをもらったおかげで、少しずつ前向きな気持ちを取り戻せたのです。この経験から、さまざまな知識を持ち寄り、女性ならではの悩みを相談できる場が必要だと思い至り、「KENKO WOMEN!」を始めました。

金融スキームを活かして、
女性たちの健康増進につなげたい

女性は仕事、家事、育児、介護など、一人で四役も、五役も担うことが多いもの。そのため、自分の健康管理を後回しにしてしまいがちです。家族の身体をいたわるように、自分の身体も大切にしてほしい。そんな思いから、「KENKO WOMEN!」では乳がんや子宮がんの検診、骨密度検査などの啓蒙活動を行っています。ファンドマネジャーとして投資業務の経験を活かした、検診を受けやすい仕組みづくりも模索中です。

例えば、八王子市では大腸がん検診の受診率を高めるためにSIB(成果報酬型官民連携事業)を導入しています。これは民間の資金を投資という形で財政に取り込み、検診事業の運営に充てるという仕組みで、受診率の向上につながっています。最近だと、インターネットを通じて資金を募るクラウドファンディングも一般化しつつありますが、さまざまな金融スキームを取り入れながら、健康に対する意識と行動をどんどん変化させていきたい。

私は人と会うのがとても好きです。同時に人と人とが出会い、新たなつながりが生まれることに喜びを感じます。そんな私にとって、C3での活動はまさに天職です。これからも誠意と熱意、そして知恵や知識を持った人たちとともに、女性の健康課題に貢献してまいります。